2024年6月28日、 グアテマラ・シティ- 世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は、グアテマラの大手配電会社エネルグアテ社(Energuate)に対し、同社による国内投資の拡大に向け、1億7,500万米ドルの融資パッケージの提供を発表しました。
長期融資となる同パッケージは、グアテマラ初となるサステナビリティ・リンク・ローンの形で提供されるIFCからの1億米ドルの融資と、国際協力機構(JICA)からの協調融資7,500万米ドルで構成されています。これらの資金は、中低圧の電力ネットワークのサービス改善や新規接続、電力ロスの削減、さらに電化プロセスの支援などに充てられます。
「エネルグアテ社が、グアテマラ初となるサステナビリティ・リンク・ローンで資金調達できることを誇りに思います。IFCの支援は、全国および地方におけるエネルギー・アクセスとそのサービスの質を継続的に向上させるという目標とともに、植生との接触を避けつつ、送電網に適した保護ケーブルの使用や雷保護設備の設置、送電インフラの改善を通じて、気候変動緩和や適応策を実施していくのに役立ちます」と配電事業部ジェネラル・マネージャーのパウロ・セザール・パラ氏は語っています。
「エネルグアテ社への先駆的な投資は、同地域におけるIFCの戦略的優先事項に沿うものであり、グアテマラにおける包摂性、生産性、持続可能性の向上に資するものです。市場と機会の創出を目指すIFCは、エネルグアテ社に現地市場では初となる、他の国際的な投資家からの資金動員を可能にする革新的で持続可能な資金調達スキームを提供します」とIFC中央アメリカ地域担当マネージャーのサナア・アブザイドは述べています。
「同案件は、JICAがミッションとして掲げる『人間の安全保障』と『質の高い成長』に完全に合致するものであり、グアテマラでJICA初となる民間セクター向け融資案件を実現できたことを嬉しく思います。私たちは、グアテマラのすべての人々の命・暮らし・尊厳が守られる社会システムの構築に貢献するため、グアテマラのあらゆるステークホルダーとともに取り組んでまいります」とJICAグアテマラ事務所長の久保倉 健 氏は述べています。
1998年に設立されたエネルグアテ社は、そのカバー範囲と利用者数において、現在グアテマラ最大手の配電会社です。グアテマラ国内22県のうち21県に拠点を持ち、240万の世帯や企業、団体にサービスを提供しています。
グアテマラ政府の公表値によれば、同国の電化率は89.3%で、2020年時点で98.5%に達するラテンアメリカ・カリブ海諸国の平均値を下回っています。同国の農村部ではさらに低く、84.6%となっています。エネルグアテ社の電化計画は、グアテマラ政府の農村電化計画に寄与するもので、2032年までに電力アクセス率99%の達成を目指しています。
エネルグアテ社について
エネルグアテ社は、グアテマラ最大手の電力配電企業であり、中米最大級の電力会社として同国22県のうち21県にわたる10万2,000平方キロメートルに及ぶ地域で、1,200万人以上の同国民に電力を供給しています。信頼できる安全なサービスを顧客に提供することを目標に据え、各家庭や企業、都市の発展につながる革新的で持続可能なエネルギー・ソリューションを提供しています。同社は、パートナーや協力者、当局やサービスを提供する地域社会に対する倫理的価値観と責任ある行動により、強い責任感に裏打ちされた価値の創造に重点を置いています。配電事業に加え、エネルグアテ社は最も遠隔地にある農村地域への電力供給のサービス拡大と質を向上を目指し、インフラ・プロジェクトに投資を行っています。同社は、国家の福祉や安定、発展に貢献する企業として、エネルギー効率と持続可能性を高めるプログラムを実施しています。
JICAについて
独立行政法人国際協力機構(JICA)は日本政府の公的機関であり、96か所に海外拠点を有し、約140の国と地域において事業を展開しています。2023年度の事業規模は、2兆4,643億円となっており、技術協力、公共事業への資金協力、民間セクターへの投融資を通じて、各国の社会経済課題の解決を目指しています。グアテマラにおいては、本案件に加え、保健・衛生、教育、農村開発、行政能力強化、市民安全、環境・防災などの分野で技術協力や資金協力を実施しており、官民団体、NGO、学術機関などと連携しながら、これらの分野における横断的なイノベーションを促進しています。JICAは、今後もグアテマラの持続可能な社会経済の発展に貢献すべく取り組んでまいります。詳細は フェイスブックをご参照ください。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2023年度、各国が世界的な複合的危機による影響に取り組む中、IFCは、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる437億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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