IFCとアムンディは、新興国市場グリーンボンド・レポート第6版において、新興国市場におけるグリーンボンドの発行額が2023年に34%増加したことを明らかにしました。
2024年5月22日、パリ-欧州の大手資産運用会社アムンディと世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は本日、新興国市場や途上国のグリーンボンド市場の動向をまとめた「新興国市場グリーンボンド・レポート」の第6版を発行しました。本レポートは、新興国市場や途上国におけるグリーンボンドの発行状況や、サステナビリティボンド市場全体の成長や認識、見通しなどに焦点を当てています。
広範にわたる良好な金融市場の動向を背景に、新興国市場や途上国のサステナブル・ファイナンス市場全体でインフレ減速の見通しを受け、2023年に新規発行が再び増加しました。
新興国市場におけるグリーンボンドの発行額は前年比34%増加し、2023年には1,350億ドルに達しました。また、グローバルなグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド、そしてサステナビリティ・リンク債(GSSS)を合わせた発行額は2023年に1兆ドルを超え、2021年の過去最高額に並びました。GSSS債の発行増加により、国際資本市場におけるこのセグメントの比重が高まり、世界の債券発行額に占める割合が、2023年には前年の2.2%から2.5%まで増加しました。この成長の主な要因は、政府や企業による途上国の気候変動問題への取組みの強化が挙げられます。
新興国市場のサステナビリティボンドの発行額は、2025年まで拡大が見込まれ、アムンディはGSSS債の成長率(前年比)を7.1%、グリーンボンドの成長率は7.5%と試算しています。アムンディの見通しは、地政学的な緊張が大きく高まることなく、インフレが緩和し、世界的に比較的安定していることを前提としています。
また、同レポートでは、ASEANや中南米・カリブ海地域、シンガポールで導入された新しい分類法や、生物多様性の損失回復を目的とした資金調達の取組みなど、GSSS債の分野で2023年に始まった最も重要な取組みについても考察しています。
IFCで経済・民間セクター開発を担当するスーザン・ランド副総裁は、「新興市場国における持続可能なプロジェクトの資金調達には、経済とエネルギー移行に資金を供給できるような厚みのある資本市場にする必要があります。これらの目標を達成するためには、規制の強化や最善慣行の標準化など、グローバルなグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド、サステナビリティ・リンク債の市場が継続的に成長を確保できるよう、多大な努力が必要となります。」
アムンディのエマージング・マーケットのグローバル・ヘッドであるイェルラン・シズディコフ氏は、「中期的には、新興国市場におけるグリーンボンドの発行は継続的な伸びが見込まれます。その背景には、エネルギー移行の加速、先進国市場と比べ発行体にとって優位なプライシング、成長が比較的鈍化している時期でも高い名目利回りが得られるなど、一般的に株式よりも債券に有利なマクロ経済状況などがあります。」
2023年版レポートのハイライトは以下の通り:
新興国市場におけるグリーン・ボンド・レポート2023は、
こちらよりダウンロードいただけます。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2023年度、各国が世界的な複合的危機による影響に取り組む中、IFCは、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる437億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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