IFCとJICA、大手銀BBVAへの総額4億米ドルとなるグリーンファイナンスの融資パッケージで調印、ペルーで持続可能な建設を促進

​2024年3月20日、ペルー、リマ　―　世界銀行グループの一員である国際金融公社（IFC）と国際協力機構（JICA）は、ペルーにおける持続可能な建設およびエネルギー効率化に向けたプロジェクトの促進を目的に、BBVAペルーに対する総額4億米ドルのグリーンファイナンス向け融資パッケージの最終融資分において合意しました。

IFCは2023年6月に本融資の第一弾として１億5,000万米ドルを提供しました。本日、リマにあるBBVAの施設で開かれた調印式において、山元毅在ペルー日本大使の出席のもと、残る2億5,000万米ドルの融資契約に調印しました。これにはJICAによる１億5,000万米ドルの協調融資が含まれます。

BBVAは、IFCとJICAが実施するグリーンファイナンス向け融資パッケージによって、持続可能な建設につながる融資のポートフォリオを同国で強化していきます。本融資パッケージは、不動産開発業者が手掛ける住宅や工業用・商業用建築物に、グリーンビルディングの国際認証制度であるIFCのEDGE（エッジ）や米国のLEED（リード）認証を取得できるよう技術支援を行うIFCのアドバイザリー業務も含みます。

IFCは、BBVAのESG（環境・社会・ガバナンス）のガイドライン策定も支援するほか、今回の調達資金はエネルギー効率化に向けたプロジェクトの開発にも充てられます。なお、BBVAは2023年3月に同国の証券市場監督局に本融資契約を届け出済みです。

IFCヨーロッパ・ラテンアメリカ・カリブ海地域担当のアルフォンソ・ガルシア・モーラ副総裁は、「ペルーでは持続可能な建設業はまだ発展途上にあります。今回の融資が同国が進むべき方向への確固とした一歩となるだけでなく、ペルーの建設業界においてサステナビリティ（持続可能性）を標準とする一連の取り組みの一部となることを目指しています。BBVAとともにペルーの持続可能性、包摂性、生産性の促進に取り組めることを光栄に思います」と述べています。

JICAの西村貴志ペルー事務所長は、気候変動が今日の社会に影響を及ぼす諸問題と深く結びついていることを指摘した上で、「気候変動の影響を緩和するための対策を、国家の成長と発展に一体化させてこそ、持続可能な開発を達成できます。この観点からも、国際的な基準に沿った自然環境に優しい建築物の建設を促進するグリーンファイナンスの普及は極めて重要であり、まさに今回のBBVAとの共同プロジェクトの根幹をなすもの」と指摘しています。

BBVAペルーのフェルナンド・エギルス最高経営責任者は、「BBVAはより環境に優しく、より持続可能な世界への移行を支援する商品を取り揃えることを基本戦略のひとつとしています。今回のIFCとJICAとの合意は、大きなインパクトをもたらす持続可能な取り組みを推進し、ペルーの全業界に利益をもたらすと期待しています」と述べています。

IFCは、グリーンビルディングが今後10年間で新興国市場における低炭素投資の重要な機会として台頭すると予測しており、2030年までに24兆7,000億米ドル規模の投資機会を創出すると試算しています。新興国市場の各都市は、人口の急増と急速な都市化に伴い急成長しています。建築物の総床面積は2060年までに倍増する見通しであり、増加分の大半が中所得国における住宅建設によるものとされています。

BBVAについて

BBVAは顧客中心主義を掲げる世界的な金融グループです。7,100万人の顧客と12万1,000人以上の従業員を抱え、25カ国以上で事業を展開しています。スペイン市場で主導的地位に立つほか、メキシコでは最大の金融機関であり、南米とトルコでもフランチャイズを展開しています。さらに、米国では投資銀行業務、トランザクション業務、資本市場業務を手掛けています。

JICAについて

日本政府の公的機関である国際協力機構（JICA）は、海外96拠点に事務所を有し、約140の国と地域で事業を展開しています。2022年度の事業規模は2兆7,450億円（182億2,000万米ドル相当）に上ります。JICAは、技術協力、公共事業への融資、民間セクターへの投融資を通じて、各国の社会経済問題の解決を目指しています。JICAペルー事務所では気候変動緩和に加え、固形廃棄物管理、災害リスク管理、産業振興、金融包摂の分野でもプロジェクトを実施しています。これらの分野で横断的にイノベーションを促進し、官民団体、NGO、学界などと協力しており、同国の持続可能な社会経済発展に貢献しています。詳細はhttps://www.JICA.go.jp/spanish/overseas/peru/index.htmlをご覧ください。

IFCについて

世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2023年度、各国が世界的な複合的危機による影響に取り組む中、IFCは、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる437億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。

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