2023年9月21日、ワシントンD.C.―IFCは、協調融資運用ポートフォリオ・プログラム(Managed Co-lending Portfolio Program、以下MCPP)の下、新興国市場における経済活動と発展を支援するため、世界各国の保険会社13社と35億ドル分の融資等に対する信用保険契約を締結しました。
同プログラム(通称、「MCPP金融機関III」)は、大手保険会社が信用保険を引き受けることで、IFCが商業銀行やノンバンクなどの金融機関に対し、今後6年間にわたり70億ドル以上の新規の中長期融資の提供を可能にするもので、女性経営者を含む零細・中小企業や気候変動に取り組む企業による金融アクセスの拡大を目指します。
同プログラムは、IFCにおいて過去最大の単一契約となるもので、保険会社と連携して、経済成長や雇用創出、さらに貧困削減の支援に民間資本の導入を拡大し、数十億ドル規模のさらなる開発融資を可能にするものです。
「保険は単にリスクを管理するためのものではなく、潜在能力のある人材や新興国の開発を支えることができます」と、財務・資金動員を担当するジョン・ガンドルフォIFC副総裁兼トレジャラーは述べています。「この新しいファシリティは、大手保険会社と開発金融機関が協力し、世界中の最も喫緊の開発課題を解決する機会を提供するものです。」
同プログラムには、一連の著名な保険会社が参加しており、前身となるプログラム(MCPP金融機関II)から参加している リバティ・スペシャルティ・マーケッツ、ミュンヘン再保険、東京海上グループ(東京海上日動火災保険*1およびTokio MarineHCC)、アクサXL、エベレスト、アスペン に加え、今回から新たにハートフォード、スイス・リー、アクシス・キャピタル、HDIグローバル・スペシャリティ、アリアンツ・トレード、SOMPOインターナショナル、SCORが参加しています。
「開発金融のインパクト拡大には、民間資本の動員はとても重要となりますが、その実現は容易ではありません。MCPP金融機関 IIIプログラムを通じ、IFCはこれを成功裏に進め、同プログラムの規模が過去最大となったことは、その証左でもあります」と、スイス再保険のパブリック・セクター・ソリューションズを率いるヴェロニカ・スコッティ氏は述べています。「スイス再保険が、このファシリティに参画できることを嬉しく思うとともに、IFCが寄せて下さる信頼に感謝します。」
「MCPPは、世界各国の保険会社の強固なバランスシートを活用することで、新興国市場における重要な開発課題に民間資本を動員するIFCの資金動員力を示す好例です」とエベレストのマイク・カーミロウィッツ主要保険部門社長兼最高経営責任者は述べています。「エベレスト保険®は、IFCと連携して、世界の貧困削減と持続可能な開発の促進に取り組めることを誇りに思います。」
「3度目のMCPP参加を通じ、世界有数の開発機関との関係強化に取り組んでいます。同プログラムは、両社にとってWin-Winの関係を築くものです。IFCはミュンヘン再保険の強力なリスク引受能力によって、使命遂行に際しより多くの資金動員が可能となり、ミュンヘン再保険はIFCが有する優れた新興国市場における融資組成力と信用リスクの管理能力の恩恵を受けることができます」とミュンヘン再保険の金融リスク担当責任者であるトーマス・ラリンガー氏は述べています。
同プログラム を通じ、保険会社は、社会的、経済的、環境にプラスのインパクトをもたらす市場や顧客の開発案件にかかる保険引受を拡大し、さらにパリ気候協定に100パーセント準拠するIFCの多様な金融機関向け融資案件へのアクセスが可能となります。
新たに「MCPP金融機関 III」プログラムが加わることで、IFCのポートフォリオ・シンジケーション・プラットフォームであるMCPP下で調達された資金総額は160億ドルを超え、現在までに63カ国、260以上のIFCの顧客を支援しています。
(*1)東京海上日動社は今回からの参加。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2023年度、各国が世界的な複合的危機による影響に取り組む中、IFCは、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる437億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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