2022 年 11 月 30 日、エジプト、カイロ — 国際金融公社(IFC)は本日、アラブ首長国連邦、日本、オランダ、および民間商業銀行のパートナーと共に、 エジプトで100万人分のクリーン・エネルギー供給を可能にする11 億ドルの資金調達パッケージ (出資及び融資を含む) を発表しました。この資金調達パッケージにより、アラブ首長国連邦を拠点とするアメア・パワー( AMEA Power)が、アフリカで1 ギガワット以上の再生可能エネルギーを最低価格帯で供給できる、エジプトでの 太陽光発電所及び風力発電所の2つの建設、所有・運営を支援します。
最大出力560メガワットのアビドス(Abydos)太陽光発電施設 と 505メガワットのアミュネット(Amunet)風力発電所のプロジェクトは、この種のものとしては、それぞれエジプト最大の発電量を誇る施設となり、年間 4,000 ギガワット時以上の発電が可能となります。これらの太陽光及び風力発電所から供給される電力の料金は、それぞれ 2 米セント/キロワット時と 3 米セント/キロワット時とアフリカで最も安く、世界的にみても最も安価な価格帯となります。
アビドスとアミュネット によって、エジプトのカーボン・フットプリント(二酸化炭素排出量)は、年間 170 万トンに相当する温室効果ガスの削減が可能となります。
「これらのプロジェクトは、特に気候変動や環境負荷への課題が山積する中、クリーンで安価な価格帯の電力供給に民間セクターが果たす役割の重要性を明示しています」と、IFC 北アフリカ地域担当局長のシェクマ・シーラ は述べています。 「エジプトは野心的な再生可能エネルギーの目標を掲げており、アフリカへのアメア・パワーの事業拡大の支援とエジプトとのパートナーシップによって、同国の再生可能エネルギーへの移行を加速できることを誇りに思います。」
本投融資案件では、IFCはアメア・パワー の子会社である アビドス・ソーラー・カンパニー及びアミュネット・ウィンド・パワー・カンパニー に対し、最大 1 億 4,500 万ドルの融資を行います。また、両プロジェクトのリスクヘッジのため、IFC はこの融資パッケージの融資期間の金利について変動から固定へのスワップ取引を行うことにより、金利上昇のリスクのほとんどを排除しています。
IFC は、本案件のリードアレンジャーとして太陽光発電プロジェクトの支援に、国際協力機構(JICA)とオランダ開発銀行 (FMO)と最大 1 億 6,000 万ドルの協調融資を行いました。風力発電プロジェクトにおいては、日本貿易保険(NEXI)による貿易保険とエジプト商業国際銀行の運転資金融資枠を活用し、国際協力銀行(JBIC)と 商業銀行3行 (三井住友銀行、三井住友信託銀行、スタンダードチャータード銀行) と 5 億ドル以上の協調融資を行いました。
本プロジェクトは、エネルギー接続率が世界で最も低いアフリカにおいてクリーンで安価な価格帯の電力アクセスを拡大するという IFC の戦略の一環であり、民間資金を活用した大規模なインフラ・プロジェクトの実現においてパートナーシップの重要性を裏付けるものです。また、本プロジェクトは、2035 年までに総発電量の 42% を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げるエジプトの国家気候変動戦略 2050 に沿うものとなっています。
「これらの画期的なプロジェクトは、アメア・パワーの長期的なコミットメント、野心的な目標、成長性を反映するものです」と、アメア・パワー会長のフセイン・アル・ノワイス氏は述べています。 「弊社はアフリカ全土で再生可能エネルギーの開発をリードしており、グローバル及び地域のパートナーシップを通じて、アフリカ大陸の何百万もの人々にクリーン・エネルギーを供給します。この度の重要なマイルストーンとなる合意に至ることが出来たことに加え、エジプトのエネルギー・トランジッションの推進を支援し、持続可能な開発を加速できることを私たちは誇りに思っています。これは、アメア・パワーの世界クラスのチームの努力、プロジェクト・パートナーやレンダー、アドバイザーによるサポート、そしてエジプト政府の協力なくしては成しえなかったと言えるでしょう。」
アビドス・プロジェクトは、エジプトのアスワン県のコム・オンボの近くに位置し、アミュネット・プロジェクトは、風が豊富なエジプトのスエズ湾岸地域に建設される予定です。両プロジェクトの建設は、2022年12 月に開始され、太陽光発電所は 18ヶ月、風力発電所は30ヶ月の工期を予定しています。
「IFC と アメア・パワーとの間で調印された 2 つの風力及び太陽光の再生可能エネルギー ・プロジェクトの契約は、国際的なパートナーシップと共有する野心的な目標がもたらす力を補強し、グリーン・トランジッションに向けた私たちのコミットメントを示すものです。さらに、エジプトにおける気候変動対応への投資機会の深さと、国家レベルで気候変動対応問題への取り組みを加速する上で民間セクターが果たす役割が重要であることを示唆しています。さらに、両プロジェクトは、気候変動対策と開発努力の互換性と補完性を反映しており、国際社会が気候変動対応を支援する機会となるような革新的な資金調達手法を活用することの重要性を明らかにしています」とエジプトの国際協力大臣で、世界銀行グループ総務会においてエジプトの総務を務めるラニア・A・アル・マシャット博士は述べています。
IFCが有するエジプトにおけるアドバイザリー及び投融資プロジェクトのポートフォリオは拡大しており、その総額は気候変動ファイナンス、ヘルスケア、ジェンダーなどの主要分野を含め、12 億ドルを超えています。
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2022年度、各国が世界的な複合的危機による問題に取り組む中、IFCは、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる328億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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