2022年3月15日、エレバン、アルメニアービジネスの成長や資金調達、収益拡大を目指す女性起業家を支援するため、IFCは日本政府と協力して、アルメニアで新しい取組みとなるプログラムを開始しました。同プログラムは、女性が経営する企業の資金アクセスを改善するとともに、その可能性を最大限に引き出し、同国経済への女性参画の促進を支援することを目的としています。
IFCの「女性起業家に関する調査 2021」によると、金融アクセスはアルメニアが抱える最大の課題の一つであり、特に女性経営者が多い零細、中小企業の資金調達が困難になっています。この課題に対し、IFCは女性経営者の経営力を高め、ビジネス・ネットワークの構築を支援することで、女性が経営する企業に投資を呼び込み、女性経営者が直面する主要な障害の一つである資金調達の問題解決を目指します。
今後11か月間、IFCは「アルメニアの女性経営企業向けの投資準備プログラム」を通じ、女性が経営する企業に対し、個別及びグループ・メンタリング、コーチングや助言などを提供し、投資を受けるための準備、ビジネス交渉や自信を高めるのに重要なソフトスキルの向上を目指します。
福島正則駐アルメニア日本国大使は、「アルメニアをはじめ世界中でビジネスにおける女性の役割が日々高まる中、日本政府はこの重要なプロジェクトが時代に沿ったものであると確信している。女性に起業家として、またビジネスにおいて自信を高める機会を増やすプロジェクトであり、プロジェクト完了までに多くの顕著な成果が得られることを期待している」と述べています。
IFCの南コーカサス担当リージョナル・マネージャーであるイバナ・フェルナンデス・ドゥアルテは、「女性は起業家として、経済において重要な役割を果たしていますが、女性が直面する多くの障害は、しばしばその潜在能力を最大限に発揮することを妨げている。アルメニアでは、IFCのアドバイザリー業務を通じ、女性起業家に包摂的な成長を促しながら、自信と能力を高めるために必要なツールとリソースを提供することを目指す」と述べています。
同プログラムには、一連のネットワーキング・イベントが含まれており、新しいビジネス・ネットワークの構築を通じて女性が経営する企業のつながりの拡大を目指します。金融へのアクセスが限定されている問題に対処するため、中小企業と金融機関を結びつけることにも注力します。また、アドバイザリー業務を通じ、大企業が女性が経営する企業をサプライチェーンに組み込み、ビジネス・ネットワークへのアクセスを改善する支援も行います。同プログラムは、女性起業家によるアルメニアでのより多くの雇用創出にも寄与すると期待されています。
IFCのプログラムは、エンタープライズ・インキュベーター財団とグラナタス・ベンチャーズ（Granatus Ventures）が、アルメニアのエレバン、シラク、ロリ地方にあるギュムリ・テクノロジー・センターとヴァナゾル・テクノロジー・センターと協力して実施します。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2021年度、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により経済が大きな打撃を受ける中、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる315億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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日本政府について
日本政府は、2022年2月現在、アルメニアにおいて、総額4億2,000万ドルを超える政府開発援助（ODA）を実施しています。均衡の取れた持続可能な経済成長の達成に貢献するため、日本政府は、アルメニアの首都及び地方の両方で、制度・インフラの整備及び人材育成、また防災対策の強化に注力しています。詳細については、https://www.am.emb-japan.go.jp/itprtop_en/index.htmlをご覧ください。
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