イラク、バグダッド、2021年12月14日 — IFCは、イラクのバスラ地域にある同国最大の港湾ウンム・カスル港における近代的な新ターミナルの建設を支援するため、画期的な融資パッケージの組成を主導しました。同ターミナルの建設によって、船舶の係留期間は大幅に短縮され、貿易拡大に加え、同国と海外市場との接続性を高めることで経済成長の促進が期待されています。
総額1億2,500万米ドルの融資パッケージは、イラク国内で唯一大型船が入港できるバスラのウンム・カスル港のバスラ多目的ターミナル整備事業に対して提供されるもので、イラクにおける非エネルギー関連投資プロジェクトとしては過去最大規模となる案件の一つです。ウンム・カスル港はイラクへの主要な玄関口として、長年におよぶ紛争後の国家再建に向け、イラクの輸入と発展に不可欠な港湾施設です。
この資金調達により、同港に2つのバース(荷役を行う港湾施設)と最新設備を備えた新しい効率性の高いコンテナ・ターミナルを建設し、特に大型船の荷役能力を高めることで、現在の港湾施設の課題を減らし、運営効率の向上を目指します。
本融資パッケージは、IFCからの4,6 00万米ドルのシニアローン、IFCが運営する協調融資のプラットフォームである協調融資運用ポートフォリオ・プログラム(MCPP)から拠出される3,900万米ドル、および国際協力機構(JICA)からの4,000万米ドルの融資で構成されています。
「過去数年間にわたり、JICAは、イラクの港湾セクターを包括的に支援してきました。」また、「イラクの主要港の新ターミナル建設への融資は、貿易と輸入の拡大に加え、さらなる経済成長の促進に寄与することが期待されます」とJICA民間連携事業部部長の原 昌平氏は述べています。
同プロジェクトは、イラク経済を多様化すると同時に、石油と輸入を中心とする国家主導の経済への依存を減らし、基幹インフラの強化を図る世界銀行グループの取組みの一環です。同国の再建に向けた取組みが続く中、商品や原材料のコンテナ貨物への需要増加が予想され、港湾セクターがイラクの貿易拡大と世界のサプライチェーンに同国の市場を組み込んでいく上で重要な役割を果たすと期待されています。
「イラクのインフラ需要は、膨大でさらに拡大しています。」また、「民間セクターの力を活かすことで、イラクはこの増大する需要に応え、より競争力のある経済を構築して長期的かつ持続可能な成長を遂げることが可能となり、国民全体の繁栄実現に向け前進できます」と、IFCのレバント諸国カントリー・マネージャーであるアブドラ・ジェフリは述べています。
IFCは、10年以上にわたってウンム・カスル港の近代化に参画しており、2010年は別の港湾オペレーターであるガルフテイナーによる初期の港湾施設拡張への融資をはじめ、2014年にナフィス・ロジスティクスへの出資を通じて港湾施設内でのトラック輸送設備の近代化を支援しています。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2021年度、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により経済が大きな打撃を受ける中、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる315億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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