ワシントンD.C.、8月2日 –国際金融公社(IFC)は、新たに発表した報告書で、新型コロナウイルス感染症の混乱が続いた2020年もインパクト投資は投資家の強い関心を集め、投資額が2.3兆ドルに達したことを明らかにしました。
『インパクト投資:グローバルなインパクト投資市場2020』と題する新報告書は、経済的利益とともに測定可能な社会的又は環境的にプラスのインパクトをもたらす意図を持って行われるインパクト投資の市場規模について最新の予測を提供します。同報告書によれば、2020年にインパクト評価を行った資産は6,360億ドルと、2019年の5,050億ドルから増加しています。さらに1.6兆ドルがプラスのインパクトを意図して運用されており、市場規模は推定2.3兆ドルになると試算しています。また、同報告書は、以前より評価を行うインパクト・ファンドがより多く市場に登場し、ファンド数が2019年の887から2020年には1,001に増加したことを明らかにしています。気候変動やヘルスケアへのアクセスの公平性、人種や性別による差別などの社会的課題に対する意識の高まりが、インパクト投資の継続的な人気を牽引しています。
この一年間でインパクト投資への関心は高まったものの、IFCの報告書は、民間のファンドや機関が運用する評価を受けたインパクト資産は、7兆ドルに及ぶ民間資金のわずか4%に過ぎないと指摘しています。ジョン・ガンドルフォ IFC財務担当副総裁兼経済及び民間セクター開発担当副総裁代行は、「未だインパクト投資を次の段階に引き上げる絶好の機会がある。パンデミックは社会を根底から揺さぶり、私たちの価値観の再考を促した。インパクト投資は、信念に沿った資産運用を可能にする投資機会を与え、より多くの投資家がインパクト投資家になることを期待している」と述べています。
IFCの新報告書は、過去1年間の市場の透明性の水準向上も示唆しています。 2021年5月末までに、『インパクト投資の運用原則(インパクト原則)』の97の署名機関が開示資料を公開しました。さらに、64の独立評価概要が公表され、署名機関の運用システムがインパクト原則に沿ったものであることを裏付けています。これは、インパクト投資市場において規律の浸透が進んでいることの証左と言えます。
インパクト原則に沿った運用資産額が最大となる民間資産運用会社のロッククリーク(RockCreek)の創設者兼最高経営責任者であるアフサネ・ベシュロス氏は、「2020年に見られたインパクト投資市場の成長は、投資家にとって励みとなる」と述べています。 「ロッククリークは、IFCが2019年にインパクト原則の立ち上げを主導した時からの最初の署名機関の一つで、利益を追求しつつ投資サイクル全体を通じてインパクト原則を取り込んでいくことをコミットする投資家が増えていることを嬉しく思う。これにより、市場により優れた規律と透明性がもたらされる。」
現在、インパクト原則には、5大陸33カ国から135の署名機関が名を連ねています。
同報告書は、世界のインパクト投資市場の規模について、これまでで最も包括的な調査を実施し、公開情報に加え、選別された独自のデータベースのうち、検証可能なデータに基づいて作成されています。詳細については、www.ifc.org/invest4impactをご覧ください。
国際金融公社(IFC)について
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。IFCは、世界100カ国以上で資金、専門知識そして影響力を駆使することで、途上国において市場と機会を創出するための支援を行っています。極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく民間資金を最大限活用し、2020年度は途上国の民間企業と金融機関に対し220億ドルの投融資を行いました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください
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ワシントンD.C.
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