2019 年 7 月 24 日 コートジボワール、アビジャン — 世界銀行グループの一員である IFC とアフリカ有数の独立系発電事業者である Globeleq Africa Holdings Limited ( 以下「 Globeleq 」 ) 、およびアガ・カーン経済開発基金 (AKFED) 傘下機関である Industrial Promotion Services (West Africa)( 以下「 IPS (WA) 」 ) は、コートジボワールのアジト火力発電所拡張(アジト第四期計画)に融資することを承認しました。 2017 年時点で、電気供給を受けられる人口の割合が 66 %以下に限られているコートジボワールにおいて、同発電所の拡張により、安定的かつ安価な電力供給の増加が期待されます。
アジト第四期計画によって、既存の発電所に新たなガス及び水蒸気のタービン( 253 メガワットに相当)が追加され、これによりアジト発電所は年間 2,000 ギガワット / 時の追加電力を発電することができ、同発電所全体でコートジボワール全体の電力の 30 %以上を賄うことができるようになります。アジト発電所第四期計画で建設される発電設備は、コートジボワール国内の非効率な旧式の火力発電所に代替するものとなり、コストとガス排出量を大幅に削減し、増大する国内および地域の電力需要の供給に貢献します。本拡張計画によって、新たに何十万もの家庭や企業に電力を供給できるようになると見込まれています。
アジト第四期計画は、コートジボワールの配電網の安定性を高め、水力発電による電力基盤( 900 メガワット:設置済み発電能力全体の約 40 %を占める)補完を目的とした間欠性再生可能エネルギーの統合を通じて、 2030 年までに再生可能エネルギー率を 42 %にするという国家目標に寄与するものです。コートジボワールにおける再生可能エネルギーの可能性は 最新の IFC 報告書に記載されています。 IFC は今後も引き続きコートジボワール政府と協働して、再生可能エネルギーを用いた発電施設のさらなる開発を推進していきます。
IFC はリードアレンジャー並びにグローバルコーディネーターとして、以下の機関が参画した総額 2 億 6,400 万ユーロのシンジケートローンを組成しました。参加機関はアフリカ開発銀行( AfDB )、西アフリカ開発銀行( BOAD )、 OPEC 国際開発基金 (OFID) 、ならびにプロパルコ、開発途上国のためのベルギー投資公社( BIO )、ドイツ投資開発公社( DEG )をはじめとする European Development Finance Institutions ( EDFIS )の各機関、および Investec Asset Management およびオランダ開発金融公庫( FMO )が運営するアフリカに特化したデットファンドであるアフリカ新興インフラファンド( EAIF )です。 IFC は民間資金の動員のみならず、自己勘定資金 4,600 万ユーロを貸し付け、さらに金利スワップを供与しました。
本件は、 2000 年より稼働開始以来、コートジボワール産の天然ガス資源を用いて安価なベースロード(基礎負荷)電力を提供してきたアジト火力発電所の実績に基づいて進められた融資となります。
「アジト第四期計画が、今回の重要な節目を迎えることを非常に喜ばしく思います。本プロジェクトにより、コートジボワールはコストとガス排出量を削減し、増大する電力需要を満たすことを可能とします。また、域内のエネルギー供給の中心的役割を担い、さらなる再生可能エネルギーの統合が期待されます。この功績に対し、コートジボワール政府、 Azito Energie 並びに株主の皆様、 Globeleq 、及び IPS (WA) の皆様にお祝い申し上げます。」と、 IFC のインフラストラクチャー・天然資源部門中東・アフリカ地域産業担当局長、 Linda Rudo Munyengeterwa は述べました。
IFC は過去 20 年にわたり世界銀行とともに、コートジボワールの電力産業が経済的に持続可能となるよう同国政府を支援してきました。本融資は、 1994 年、 1998 年、 2012 年、 2013 年に IFC が同国の電力業界に対する投資に続くものとなります。
Glebeleq の CEO 、 Paul Hanrahan 氏は次のように述べました。「コートジボワールの皆様への安定的かつ環境面で持続可能な電力の長期供給者として、当社および当社の株主である CDC と Norfund が、コートジボワールの成長と発展のために、大きな役割を果たせる運びとなったことを大変喜ばしく思います。」
IPS(WA) の CEO である Mahamadou Sylla は、「今回の四回目となるアジト発電所の拡張計画は、 IPS(WA) 、コートジボワール政府、開発金融各機関による累積支援額 7 億 5,000 万米ドル( 4,300 億 CFA フラン)を超える長期的パートナーシップに基づくものです。このパートナーシップに、私たち IPS(WA) は感謝しています。この協力関係があるからこそ、アガ・カーン経済開発基金( AKFED )傘下の私たちがコートジボワールおよび、同域内における他の国々の発展に貢献する役割を強化することができたのです。」と発言しています。
Azito Energie の CEO 、 Luc Ayé 氏は、「本拡張計画は、コートジボワールが西アフリカにおけるエネルギー供給の中心的役割を担うことを目指す同政府の支援を受けており、コートジボワールの国家電力計画の重要な一部である。」と述べました。
IFC について
世界銀行グループの一員である国際金融公社( IFC )は、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。 IFC が持つ資金力や専門知識を活かし、世界中に展開する 2,000 以上の民間企業との協働を通じて、世界で最も困難を抱える地域において市場と機会創出ための支援を行っています。途上国の貧困解消と繁栄の共有増進を図るべく、民間セクターの持てる力を活用し、 2018 年度は、途上国に約 230 億ドルの長期融資資金を提供しました。詳細についてはウェブサイトをご覧ください。 www.ifc.org
Globeleq について
Globeleq は、アフリカにおける発電所の開発、保有、運営を手掛ける主要企業です。 2002 年以降、同社の経験豊富な専門家チームは、 5 ヶ国 12 拠点で独立した多様な発電所群を建設して約 1,400MW の電力を供給しており、 2,000MW 分の追加発電プロジェクトが現在進行中です。詳細については、右記 URL をご覧ください。 www.globeleq.com
IPS (WA) について 1960 年半ばから、コートジボワールおよび当該亜区地域において強力な存在感を持っていた IPS ( WA )は、アガ・カーン経済開発基金グループに属する組織です。同グループ傘下の組織は、アジト火力発電所などの農業・インフラ産業におけるプロジェクトに参加しています。アフリカにおいて IPS(WA) が出資している事業の例には、 Filtisac, Ivoire Coton 、アジト発電所、その他、業界の代表的な企業各社があります。さらに詳しく詳細については、右記 URL をご覧ください。 www.ips-wa.org/
Azito Energie について Azito Energie は、 1998 年、コートジボワール法の下で設立登記された特別目的会社です。 2019 年 7 月 1 日時点で、 76.9 %が Globeleq 、 23.1% が IPS(WA) の株主構成となっています。詳細については、右記 URL をご覧ください。 www.azitoenergie.com