2019年4月12日 ワシントンD.C., —世界銀行グループの一員であるIFCは本日、60の投資家が『インパクト投資の運用原則』(以下、運用原則)を採用すると発表しました。運用原則とは、投資家が、高い規律と透明性をもって、経済的リターンと共に社会へのポジティブな影響を追求するインパクト投資の市場基準であり、インパクト投資市場の透明性や信頼性、規律を高めるものです。
運用原則を採用する投資家が全体でインパクト投資に投じる資金は3,500億ドル超に及び、これらの資金に加え、新たなインパクト投資も今後は運用原則に沿って行われます。運用原則は、“インパクト ウォッシング”に対する懸念を払拭するべく、インパクト投資を構成する要件について、明確かつ共通の市場基準を定義しています。IFCは、3ヶ月のパブリック・ステークホルダー・コンサルテーションを含め、主要なアセットマネジャー、資産オーナー、資産アロケーター、開発銀行や金融機関と協働し運用原則の策定を主導しました。
IFCのフィリップ・ル・ウェルー長官(CEO)は、今回の発表について、「インパクト投資をメインストリームに押し上げる可能性ができたと確信している。私たちの志は非常に高く、開発資金調達を数十億ドルから数兆ドル規模に拡大するという国際社会の取り組み(Billions to Trillions)を実現するためにも、さらに多くの資金をインパクト投資で運用したい」と述べています。
IFCは、新たな報告書「Creating Impact: The Promise of Impact Investing」の中で、インパクト投資に対する投資家の投資意欲は、未公開株式、ノンソブリン債、ベンチャーキャピタルを含む未上場の資産が5兆ドル、上場株式と債券が21兆ドルと、総額26兆ドルに上ると試算しています。
この潜在需要を満たすためには、投資家に透明性の高い市場基準を提供する必要があります。その基準をもとに、投資家は経済的リターンに加え、社会に対してポジティブで測定可能な成果を出せるような投資が可能となります。本日署名された運用原則は、インパクト投資の構成要件を明確にするとともに一貫性を持たせることで、この投資プロセスを容易にし、市場の信頼性を高める効果が期待できます。
IFCは、最も経験が長く、最大規模を誇るインパクト投資家の一つであり、堅実な経済的リターンを得ながらも大きな開発効果の実現が可能であることを実証してきました。平均して、1988年から2016年までのIFCの株式リターンは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスの利回りと比較しても十分なリターンを確保しています。
運用原則は、高い開発効果と経済的リターンの両方を実現するべく、IFCのこれまでの新興市場における投資経験を活かし、公的及び民間機関にわたるベスト・プラクティスを反映するものです。運用原則は、戦略、組成、ストラクチャリング、ポートフォリオマネジメント、エグジット及び独立した検証を含む投資のライフサイクルの全てのフェーズにおいてインパクトを考慮しており、運用原則の導入における信頼性を高めるべく、署名機関に実施状況について年次の情報開示とインパクトマネジメントシステムに関する独立した検証を求めている点が重要となります。
運用原則に署名した投資家一覧
1. IFC
2. Actis
3. Acumen Capital Partners
4. AlphaMundi Group
5. Amundi
6. AXA Investment Managers
7. Baiterek National Managing Holding JSC
8. Belgian Investment Company for Developing Countries (BIO)
9. Blue like an Orange Sustainable Capital
10. BlueOrchard Finance Ltd.
11. BNP Paribas Asset Management
12. Calvert Impact Capital
13. Capria Ventures
14. Cardano Development B.V. (ILX fund and TCX)
15. CDC Group plc.
16. CDP – Cassa Depositi e Prestiti
17. COFIDES
18. Community Investment Management (CIM)
19. Cordiant Capital
20. Credit Suisse
21. DEG – Deutsche Entwicklungs- und Investitionsgesellschaft mbH
22. Development Bank of Latin America (CAF)
23. European Bank for Reconstruction and Development (EBRD)
24. European Development Finance Institutions (EDFI)
25. European Investment Bank (EIB)
26. FinDev Canada
27. Finnfund
28. Flat World Partners
29. FMO – the Netherlands Development Finance Company
30. IDB Invest, Member of the Inter-American Development Bank Group
31. IFC Asset Management Company (AMC)
32. IFU – Investment Fund for Developing Countries
33. Incofin Investment Management
34. Investisseurs& Partenaires – I&P
35. Islamic Corporation for the Development of the Private Sector, Member of IsDB Group
36. Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.
37. LeapFrog Investments
38. LGT Impact
39. LGT Venture Philanthropy
40. MicroVest Capital Management
41. Multilateral Investment Guarantee Agency (MIGA)
42. Norfund
43. Nuveen
44. Obviam
45. Oesterreichische Entwicklungsbank AG (OeEB)
46. Overseas Private Investment Corporation (OPIC)
47. Partners Group
48. Phatisa
49. Proparco
50. Prudential Financial Inc.
51. responsAbility
52. STOA Infra & Energy
53. Swedfund
54. Swiss Infestment Fund for Emerging Markets (SIFEM)
55. The Rise Fund
56. The Rock Creek Group
57. UBS
58. Water.org
59. WaterEquity
60. Zurich Insurance Group Ltd.
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFCは、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。世界の2,000以上の民間企業との協働を通じて、IFCは、資金、専門知識、を駆使することで、世界の最も困難な地域において市場を拓き、機会を創るための支援を行っています。2018年度には、途上国の人々の貧困解消と繁栄の共有増進を図る民間セクターへの助力のために約230億ドルの長期融資資金を提供しました。詳細についてはウェブサイト( www.ifc.org )をご覧ください。
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