東京、2019年8月27日—世界銀行グループの一員であるIFCは本日、伊藤忠商事株式会社(伊藤忠商事)、及び同社の子会社であるシエラ・トロピカル・リミテッドと、シエラレオネ共和国において最大となるパイナップル生産加工施設の開発に関する覚書に調印しました。同施設は、シエラレオネの農業分野の競争力と輸出力強化に貢献することが期待されています。
シエラレオネ政府の協力のもと、シエラ・トロピカル・リミテッドは、同国南部のボー地区にパイナップル農場と加工工場を開発するプロジェクトを計画しています。同プロジェクトでは、生産した加工品を米国、カナダ、欧州へ輸出することを予定しています。同プロジェクトを通じ、現地での雇用増大・生活環境整備・地域活性化等の効果が期待されています。
IFCは、同プロジェクトへ融資の他、小規模農家の生産性向上に向けたアドバイザリー業務を提供することを検討しています。同プロジェクトは、シエラレオネの小規模農家をグローバルな供給網に取り込み、産業変革に寄与する、IFCの同国の農業分野における初の投資案件となる見込みです。
「シエラレオネは復興と成長に向け取り組んでいるが、未だ1日1.25ドル以下で生活する貧困層が60%以上を占め、高い失業率という課題に直面している。持続的な産業育成と新規雇用によりシエラレオネの経済成長を長期に亘って支える同プロジェクトは、官民の協力によって最も支援が必要とされる場所により大きな開発効果をもたらすことができることを示すものだ」とフィリップ・ル・ウェルーIFC長官は述べています。
シエラ・トロピカル・リミテッドと同社の親会社となるドール・アジア・ホールディング社は、伊藤忠商事の100%子会社です。ドール・アジア・ホールディング社は、アジアでパイナップル農場や加工工場を運営するノウハウを持つ、大手生鮮加工食品会社です。同社のノウハウとブランド力に、伊藤忠商事のグローバル・フード・バリュー・チェーンを組み合わせることで、同プロジェクトはシエラレオネに雇用創出、産業育成を含む高い開発効果をもたらすことが期待されています。
「同プロジェクトを通じ、シエラレオネ共和国及び地域コミュニティの発展に貢献できることを嬉しく思う。本事業はPublic Private Partnershipによる地場産業の育成を通じて雇用増大・生活環境整備等を目指すものでもあり、全力でプロジェクトを推進していく」と伊藤忠商事株式会社の代表取締役社長COOの鈴木 善久氏は述べています。
IFCについて
世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)は、途上国の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。IFCが持つ資金力や専門知識を活かし、世界中に展開する2,000以上の民間企業との協働を通じて、世界で最も困難を抱える地域において市場と機会創出ための支援を行っています。途上国の貧困解消と繁栄の共有増進を図るべく、民間セクターの持てる力を活用し、2019年度は、途上国に約191億ドルの長期融資資金を提供しました。詳細についてはウェブサイトをご覧ください。 www.ifc.org