Story

環境分野の専門性が導いたIFCでのキャリア

2021年11月29日
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本木正人  / Masato Motoki


環境・社会・ガバナンス(ESG) チーム

環境スペシャリスト 

バンコク事務所勤務

経歴

  • 2018年  IFC入社 バンコク事務所にて環境・社会・ガバナンス(ESG)チーム所属
  • 2013年 インペリアルカレッジロンドン大学院 修士号取得(環境保全) 外資系環境コンサルタント会社、国連環境計画にて勤務 技術士(環境部門、建設部門)
  • 2005年 筑波大学第二学群生物学類卒業 開発コンサルタント会社にて勤務

私がこの仕事を始めるまでには多くの紆余曲折がありましたが、学生時代に環境倫理を専攻していたこともあり、根本的なところでは、比較的キャリアの早い段階から持続可能な社会づくりに貢献したいという思いが固まっていました。

今では至る所で気候変動や持続可能な開発目標(SDGs)に関する関心の高まりを感じますが、私が初めに所属した職場では、(たまたま今の仕事に関連する環境影響評価を主に担当していましたが)環境分野の市場は縮小傾向にあり、会社間の競争も激しく、どのようにして今後も環境の仕事を続けることが出来るか、悩むことも多くありました。

環境問題の持つ複雑さとその影響の広さから、途上国を含め海外で専門性を培い、将来にわたって環境分野で仕事が出来るように、自らの技術や経験の蓄積に努めてきました。技術士としての資格の取得は、専門性と倫理性の確立の観点から、海外への留学は、欧米諸国における研究や業務手法の理解のため、それぞれに苦労がありましたが、いずれも大変に役立っています。

外資系の環境コンサルタント会社、国連環境計画での勤務を経て国内・海外での両方の職場を経験し、現地に自ら足を運んでの資料・データ収集から、各国政府の代表と環境社会に関する会合を開くところまで様々な立場から仕事をしてきました。多様なプロジェクトを担当していく中で、企業がその地域や人々の持続可能性に与える影響は特に大きいと感じていたことから、国際金融機関の中でも民間企業への支援に特化したIFCで働く機会を得られたことは、非常に有難いと感じています。

IFCは国際金融の世界的ベンチマークとも言えるパフォーマンス基準を設定し、投融資プログラムの顧客と該当セクターに対して、環境・社会面における配慮の確保とさらなる改善を促することで、新興国に持続可能なビジネスを推進していきます。

また、全世界で100名を超える多様なバックグラウンドを持つESGチームの専門家たちが、研修や議論を通して各々の専門性を磨きながら、互いに協力してプロジェクトの環境・社会面のサポートを充実させていくところは、国際機関ならではの醍醐味があると感じます。

IFC入社以来様々なプロジェクトに参加しましたが、国際機関における日本人のプレゼンスは低いと言われる通り、現地での実査に向かうチーム中で他の日本人と一緒になることはほぼありません。一方で、プロジェクトの中には日本との関わりが深い企業であったり、日本向けが主要な製品であったりする場合も多く、間接的ではありますが、これらの企業や製品との関りを通して、日本社会のESG向上に貢献できるのではないかと思っています。今後も日本企業が直接または間接に関わるプロジェクトを通じて、日本の社会貢献に資する仕事をしていきたいと考えています。

 

IFCを志望する方へのメッセージ

この文章を読んでくださっている方は、少なからずIFCでの仕事に関心があるものと思います。実をいうと私も邦人職員のプロフィールを憧れとともに読んでいた1人でした。

はじめて職員の要件を見た時には、求められている内容の程度も理解できず、ただ自分では遠く及びもしないだろうと思っていたものですが、一歩一歩、自分のキャリアを進めていくうちに、気が付くといつの間にか所属していたという印象です。

私の経験から1つだけアドバイスできるとしたら、自分には出来ないと思わないでほしいと言うことです。もしかしたらこれを読んでいる今その瞬間では難しいかもしれませんが、数年後には想像もできないほどの知識や経験を備えた専門家になっている可能性があります。また、自らが気づいてないだけで、採用する側からは非常に魅力的な経験を持っている場合もあります。

今思い返しても、IFCの職員になるかどうかの大きなターニングポイントは、自分の専門性に合う求人が出ていた時に、それを見つけて(見つけることも大事なのですが)、様々な不安を抱えつつも、応募するというその一歩を踏み出すことだったと思います。

近年IFCでは日本人の採用を積極的に推進しており、様々なキャリアの入り口が用意されています。このような機会をぜひ活用し、どのような分野でキャリアを確立していけるのかを考えて頂けると、思ったよりもIFCの職場は近いところにあると感じてもらえるのではないかと思います。