2022 年 8 月 8 日、シンガポール — 世界的な危機が重なる中、IFC は 2021 年 7 月 1 日から 2022 年 6 月 30 日までの会計年度において、 東アジア・太平洋地域において過去最大となる50 億ドル超の投融資を承認しました。これには 、30億ドルの長期融資と、雇用の維持と創出、サービス改善、中小企業支援のための20億ドル強の資金動員分が含まれます。
また、前任のアルフォンソ・ガルシア・モーラがヨーロッパ、ラテンアメリカ及びカリブ海地域担当の副総裁に就任するのに伴い、新たにルース・ホロウィッツがアジア・太平洋地域担当副総裁に就任しました。
「この地域担当副総裁として、素晴らしい顧客、ステークホルダー、地域職員と働けることを大変嬉しく思うとともに、この地域におけるインパクトの大きい民間支援の実績をさらに積み上げていくことを楽しみにしています」とIFC のアジア・太平洋
地域担当副総裁に着任したルース・ホロウィッツは述べています。
ホロウィッツは、投資プロフェッショナルとして30年以上に及ぶグローバルな経験を有しており、直近では、IFC のエクイティ資金動員部門である IFC アセット・マネジメント社 (AMC) 担当の副総裁として、13 のファンドを通じて 投資家から100 億ドル以上の資金を調達しました。 同氏はリーマン・ブラザーズを経て、AMC社の最高執行責任者兼 ディレクターとしてIFCに入社しました。
過去最大となる東アジア・太平洋地域の投融資額には、23 億 4,000 万ドルのエクイティ、ローン、債券が含まれており、これには金融機関が発行する地域の中小企業を支援するためのソーシャル ボンドも含まれます。 同地域最大の雇用主である中小企業は、同地域の成長の原動力でもあります。
パンデミックの影響で困難な状況下にある地域の企業を支援するため、IFC は、新型コロナ対応支援策の一環として 6 億ドルの長期融資を提供しました。加えて、1 億ドルの短期融資を行い、世界経済が混乱する中、地元の輸出入業者による食品や商品などの貿易取引の拡大を支援しました。2020 年度から 2022 年度にかけて、東アジア・太平洋地域全体で、IFC は新型コロナ対応支援として、4 億ドルの短期融資を含む 25 億ドルの投融資を承認しました。
「前例のない世界的な試練に直面する中、IFCは過去最大規模の投融資を行うことで、同地域が新型コロナ危機を乗り切り、雇用を維持するとともに、環境に優しく、強靭かつ包摂的な経済回復の軌道にのれるように注力しました」と東アジア・太平洋
地域担当のリージョナル・ディレクターであるキム・シー・リムは述べています。 「直近の会計年度は、海洋汚染への取組みや各国の気候変動対応の目標達成を支援するブルーボンドの発行など、気候変動分野で数多くの初の試みがありました。IFCによるサステナビリティ・リンク・ボンドへの投資はアジア・太平洋地域が初となりました。」
IFC のコミットメントには、東アジア・太平洋地域全体の気候関連プロジェクトの支援に向けた 12 億ドルが含まれており、これには、革新的なグリーン及びブルー案件への資金提供、再生可能エネルギーや気候変動対応を考慮した都市インフラのプロジェクトへの資金提供が含まれます。
ホロウィッツ地域担当副総裁は就任に際し、気候変動対応は引き続き東アジア・太平洋地域における最優先事項であると述べています。
同氏は、「アジアは、気候変動との戦いの勝敗を決するにおいて極めて重要となる地域です。そのため、IFC は引き続き民間セクターと協力して、地域の資金調達を促進し、より広範な開発目標の実現を追求しつつ、各国が気候変動対応の目標を達成できるよう支援していきます」と述べています。 「世界的なインフレ進行といった新たな課題に加え、新型コロナの影響による財政逼迫が続く中、IFCにとって引き続き民間セクターと協力してこれらの開発課題に対する解決策を提供し、人々が必要なサービスや雇用機会を得られるようにすることはとても重要です。アジア・太平洋地域において、この重要な任に着くにあたり、新たなパートナーシップの開拓や関係強化に取り組めることを楽しみにしています。」
2022年度の同地域におけるIFC案件事例を下記にご紹介します。
o IFC は、Sembcorp Industries 初のサステナビリティ・リンク・ボンドに 1 億 1,000 万ドル投資し、他の投資家からも3 億 5,000 万ドルを動員しました。これは、IFCにとっても世界で初めてのサステナビリティ・リンク・ボンドへの投資となりました。
o ブルーボンドの投資家の先駆けであるIFCは、 フィリピン初となったBDO Unibankの初めてのブルーボンドに 1 億ドルを投資しました。IFC はまた、タイの商業銀行としては初の発行となったTMBThanachart Bank のブルーボンドに 5,000 万ドルを投資しました。
o ベトナムで最も貧しい地域の一つに近代的な電子機器製造工場を建設するGoertekのプロジェクトにIFCは7 億ドルの融資パッケージを提供し、これは、同国の付加価値の高い製造業への移行を促し、4万の常勤かつ熟練技術者の雇用を創出する画期的なものとなりました。
o IFC は、フィリピンで切望されている手頃な価格のヘルスケア・サービスの提供を促すため、同国のヘルスケア企業である Ayala Corporation による初のソーシャル ボンドに 1 億ドルを投資しました。
o IFC は、インドネシアの民間銀行であるPT Bank KB Bukopin Tbkによる史上初のソーシャルボンド発行に際し、 3 億ドルの債券投資を行いました。この債券は、新型コロナ による社会経済的影響に対処し、手頃な価格の住宅供給、零細・中小企業や医療、教育、基本的なインフラの支援を主な資金使途としています。
o 経済ショックの影響を特に受けやすい農家、零細小売業者、零細・中小企業を守るため、IFC はフィリピンの e コマースの新興企業である Growsari と提携し、零細・中小企業のデジタル化を推進しました。
o インドネシアでは、Sayurbox と AwanTunai への投資により、サプライ チェーンの連携が改善され、農家や女性を含む小規模小売業者の成長機会が増加しました。
o IFCは、ラオス初となる国際標準ドライポートの開発支援を通じ、この内陸国を地域の製造業及び農業の新たな輸出拠点とし、雇用創出を支援しています。
o カンボジアでは、グリーン金融市場の創設に向けて、IFC のチームがカンボジア国立銀行を支援し、グリーンやサステナビリティ・リンク・ボンドの導入に向けて取り組んでいます。
o 太平洋地域では、官民パートナーシップの取組みを進め、新型コロナ危機でさらに厳しくなった公的資源を維持するため、ソロモン諸島のマグロ加工施設の整備やサモア及びパプアニューギニアの再生可能エネルギー案件などをとりまとめました。
o モンゴルでは、IFC は同国のグリーン ボンド規制及びガイドラインなどの策定を支援し、現地市場でのグリーン ボンドの発行を可能にしました。
ルース・ホロウィッツの略歴はこちらをご参照ください。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2021年度、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により経済が大きな打撃を受ける中、民間の力を活用して極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる315億ドルの投融資を承認しました。詳細はwww.ifc.orgをご覧ください。
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