2019年9月19日、ワシントン ―世界銀行グループの一員である国際金融公社(IFC)は、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)との取引後、グリーンボンド累積発行額が100億ドルの大台を突破したと発表しました。
GPIFの運用受託機関を始めとするアジアの投資家からの関心が集まる中、HSBC銀行が仲介した今回の発行により、IFCの英ポンド建てグリーンボンド発行残高は1億英ポンド増加しました。
この債券発行によって調達した資金は、再生可能エネルギー、エネルギー効率化、グリーンビルディング、グリーンバンキング、太陽光・風力発電の分野における民間企業のプロジェクト資金として使われます。
IFC財務担当副総裁兼トレジャラーのジョン・ガンドルフォは、「IFCと持続可能な金融にとって、今日はグリーンボンド発行額100億ドル突破という記念すべき節目となりました。IFCは、グリーンボンドを最も早く発行した機関の一つであり、2010年にグリーンボンド・プログラムを発足し、民間資金を気候関連のスマートなプロジェクトに投資できるよう、市場に働きかけて参りました。」と述べました。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の水野弘道理事兼CIOは、「IFCのグリーンボンド累計発行額100億米ドル到達を心よりお祝い申し上げます。IFCはグリーンボンド発行における業界屈指の機関であり、持続可能な金融推進におけるGPIFの貴重なパートナーです。よりグリーンな世界を目指して、今後も協働していきます。」と述べています。
HSBCグローバル・バンキング・アンド・マーケッツ部門欧州ヘッドのティエリー・ローランド氏は次のように述べました。「今日の英ポンド建て債券発行は、IFCのグリーンボンド累計発行額が100億ドルを超えるという、持続可能な金融市場において極めて重要な節目となりました。IFCは、持続可能な金融における先駆者の一人であり、この市場の革新的存在として長く活躍してきました。当行は、今回の取引に関与できたことを誇りに思うと共に、引き続き持続可能性へ取り組んでいく所存です。」
2013年、IFCは初のベンチマーク規模となる10億ドルのグリーンボンドを立て続けに2本発行して、市場の変革を促しました。それ以前のグリーンボンド市場は、比較的小規模の私募債の形で発行するのが主流でしたが、今日では、年間のグリーンボンド発行額が2 ,000 億米ドル見込みとなるほどの規模へと成長しました。
2010年以降、IFCは、本日発行されたものを含め合計157のグリーンボンドを発行し、累計発行額は100億6 , 500万ドルに達しました。
2019年4月、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と世界銀行グループは、2018年世界銀行春季会合で発表された合同調査「債券投資への環境・社会・ガバナンス(ESG)要素の統合」に基づく追加施策として、債券投資へのさらなるESG統合を推進しています。
IFCについて
世界銀行グループの一員であるIFC は、新興市場の民間セクターに特化した世界最大の国際開発金融機関です。IFCが持つ資金力や専門知識、影響力を駆使し、世界各地の2,000以上の民間企業との協働を通じて、世界で最も必要とされる地域で市場と機会を創出する支援を行っています。民間セクターの持てる力を活用して途上国の極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を促進するべく、2019年度は途上国に約190億ドル以上の長期資金を提供しました。詳細は、 www.ifc.org をご覧ください。