ESG投資を超えて ‐ インパクト投資の運用原則を公表

持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて官民の取組みが進むなか、インパクト投資は民間資金を動員する有効な方法として注目を集めています。環境(Environmental)、社会(Social)及びガバナンス(Governance)への配慮を投資判断の基準にするESG投資は、責任ある投資を行う上で既に世界共通のスタンダードとなっており、日本の投資家もESGの観点を投資判断に折り込む動きが広がっています。それに伴い、インパクト投資も世界的に認知が広まっており、さらに成長が見込まれる市場として日本においても徐々に関心が高まっています。

IFCは、インパクト投資のパイオニアとして、より大きな開発効果(インパクト)が期待できる新興国市場において、高い専門性と実績を有しています。インパクト投資市場のさらなる育成のため、インパクト投資の実績のある機関投資家、アセットマネージャー、及び金融仲介機関とともに議論を積み重ね、インパクト投資市場の新たなグローバルスタンダードとなる、『インパクト投資の運用原則』を2019年4月に公表しました。2019年8月、日本で初めて国際協力機構(JICA)が運用原則に署名し2021年3月には三菱UFJ銀行が日本の民間金融機関として初めて署名機関に加わりました。2021年3月末時点で、世界31カ国から123の機関投資家が運用原則の署名機関となっており、対象資産総額は約3,635億ドルとなっています。

運用原則は、インパクト投資に不可欠である規律、透明性及び信頼性をもたらす革新的な基準であり、署名機関に対し、経済的利益だけでなく、投資によって得られる開発効果についても精査し、モニタリングすることを定めています。署名機関が独立した検証を行うことで、インパクト投資において高い透明性を担保し、投資家の信頼感を高める効果が期待できます。

 

インパクト投資の運用原則

9つの原則

また、IFCは、グローバル・インパクト・インベスティング・ネットワーク(GIIN)及び主要なインパクト投資家とともに、インパクト投資の評価や報告において使用できる『共通インパクト指標』(Joint Impact Indicators 、以下JII)を、2021年3月に公表しました。JIIは、多くのインパクト投資家が利用する、民間セクター業務の統一指標 (HIPSO)及びIRISの指標カタログの二つのインパクト評価指標に沿って、ジェンダー、雇用及び気候分野における指標を先行して設定しています。JIIは、投資先企業に関する報告の負担軽減に加え、投資家の意思決定に有益な比較可能なデータを提供するもので、明確な共通指標を設定することにより、インパクト投資の効果、透明性及び説明責任の向上が期待されています。

参考

IRIS +

民間セクター業務の統一指標(HIPSO)