IFCの新型コロナ対応支援策

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、最も貧しく脆弱な国に甚大な影響をもたらす可能性があります。IFCは、経済を支え、雇用を維持するべく、既存顧客向けに80億ドルのファストトラックによる資金支援を提供しています。IFCの支援策は、4つの投融資ファシリティで構成されています。

3月17日、IFCの理事会は、感染拡大の影響を受けた企業を支援するため、80億ドルのファストトラックによる資金支援を承認しました。これは、総額140億ドルに及ぶ世界銀行グループの支援パッケージの一部です。

新型コロナ対応策の第一段階として、IFCは、感染拡大の影響を受けた既存顧客に直接融資を提供するとともに、企業への融資を継続できるように金融機関をサポートします。 この厳しい状況下を踏まえ、IFCは必要に応じて、支援策を柔軟に調整し、さらに拡充していく予定です。

2008年の世界的な金融危機を含め、過去の大きな危機の経験から、私たちは企業の資金繰りを支えることが、経済的な被害を最小限に抑え、雇用を維持するのに重要であることを知っています。最も重要なのはスピード感です。

新型コロナ対応策における資金の使途に関しては、IFCの理事会が既に経営幹部に権限委任しているファシリティを活用することで迅速な対応が可能となります。

投融資基準:

IFCのファストトラックによる資金支援は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりビジネスに明確な影響がある既存顧客が利用できます。その他の基準としては、IFCとの取引関係が良好であり、環境、社会、及びガバナンス(ESG)要件に準拠している必要があります。前例のない状況下で民間セクターの活動を下支えするためには、迅速な資金手当てが重要であることから、IFCはまず基準を満たす既存顧客に焦点を合わせています。

透明性と説明責任

IFCは、必要とされる流動性を迅速に提供しながらも、新型コロナ対策の支援対象となるプロジェクトに関する情報開示と透明性の確保に努めています。 IFCは、理事会が既に承認した金融機関および実体セクターの既存顧客とのプロジェクト基準に従って、プロジェクトのコミットメント直後に新型コロナ対策支援の内容を開示します。実体セクターの顧客に関しては、新たに環境及び持続可能性に関する重大なリスクが特定され、既存のプロジェクトの枠組みではリスク軽減を図ることが困難な場合は、IFCはプロジェクト分類に応じて、コミットメントの30日又は60日前に該当プロジェクトを開示します。

パイプライン:

IFCの80億ドルの投融資ファシリティに、あらゆる地域や多様なセクター(金融、医療、製薬、農業ビジネス、サービス、インフラ等)の既存顧客約300社から大きな関心が寄せられています。 新型コロナの感染拡大による甚大な影響を鑑みると、この投融資ファシリティでは不足する可能性もあると考えています。IFCは、低所得や紛争の影響下にある脆弱な国々における民間セクターの開発を引き続き支援するために、これらの国で事業を展開する顧客の支援に重点的に取り組んでいく予定です。さらに、IDA民間セクターウィンドウ(PSW)及び他のドナーファンドからの譲許的な資金を活用して、特に困難に直面する低所得で脆弱な国々への海外直接投資の誘致に取り組みます。

次のステップ: 

第2弾の対応策の一環として、IFCは継続的に、現在の危機の影響を緩和し、新規および既存顧客の復興及び再構築を支援するための解決策を提案します。世界銀行と連携し、課題解決に向けた「川上」での取組みに特に重点を置き、民間セクターが主導する解決策を通じて新興国市場や発展途上国における長期的な持続可能性の確保を目指します。

投融資ファシリティ

主要産業への支援

実体セクター危機対応ファシリティ(Real Sector Crisis Response Facility) から20億ドルを拠出し、パンデミックの影響を受けやすいインフラ、製造、農業、サービス産業の既存顧客を支援します。資金を必要としている企業に融資を提供し、必要に応じて株式投資を行います。この投融資ファシリティは、需要増に対応するヘルスケアセクターの企業への支援にも活用されます。

貿易金融を通じた支援

グローバル貿易金融プログラム(Global Trade Finance Program) から20億ドルを金融機関の支払リスクの保証に拠出し、金融機関が引き続き輸出入企業に対し貿易金融を提供できるように支援します。これは、グローバルサプライチェーンを形成する中小企業の支援につながることが期待されています。

運転資金を通じた資金繰り支援

運転資金ソリューションプログラム(Working Capital Solutions program)から20億ドルを新興国市場の銀行に資金提供し、融資枠の拡大を通じて、企業が必要経費や従業員の給与を支払うための運転資金を十分に確保できるように支援します。

地場金融機関を通じた支援

グローバル貿易流動性補完プログラム(Global Trade Liquidity Program)及びクリティカル・コモディティ金融プログラム(Critical Commodities Finance Program)から、資金調達及びリスク共有型の支援を通じて合わせて20億ドルを新興国の銀行に提供し、現地企業への融資を継続できるよう支援します。